Donate
Your donation will be used to maintain and improve this site.

"Londonderry Air"

Arranged & Produced: 2006 Jun 15 / Mixed: 2008 Dec 10
100年以上前に書かれた曲を沢山集めて勉強していた頃に、このアイリッシュ・トラディショナルの美しい曲をアレンジしました。

それらの曲というのは、「グリーンスリーヴズ」、「峠の我が家」、「サンタ・ルチア」、「サグ・ブレネリ」などです。

「ロンドンデリー・エアー」は北アイルランドの事実上の国歌のような曲であり、この曲に歌詞を付けて歌にしたものが「ダニー・ボーイ」です。名前が示唆するように、北アイルランドのロンドンデリー州で生まれた曲とされていて、1855年に出版された「The Ancient Music of Ireland」という書物に初めて収録されました。ロンドンデリーという州・都市は、アイルランドの国粋主義者からはデリーと呼ばれることも稀ではないので、この曲も「デリー・エアー」と呼ばれることもあります。

この編曲は2006年の6月にKヤイリのアコースティック・ギターで録音しました。マーティンのスティール弦を張っていたのですが、左手の指が弦の上を滑るノイズがよく聞こえるのはそのことにも起因しています。エリクサーのコーティング弦を使い始めたのはこのレコーディングの後からだったのです。

僕は「コントラリー・モーション」という作曲上の技法をとても気に入っています。作品の中でよく使うし、このアレンジの中でも使っています。右の画像は、6小節目からのものです。下の音(B)が、だんだん降りていって次の小節のF#になり、それと同時に上の音(D#)が上がっていってG#になります。(Key of Eなので、F#とG#になっています。)これにより、反対方向への音の動きが生まれます。上の音が上に向かって、下の音が下に向かう、という風に。

バークリーでは幾人もの興味深い師に出会いましたが、その中にアル・デフィーノという人がいます。リハーモナイジングに関する彼の講義はいつも印象的だったので、コントラリー・モーションを扱っている時は彼のことを思い出さずにはいられません。(右コラムへ続く)

(Try listening while following this sheetmusic.)
Score

(Feel free to download the mp3 and pass it out to others. Masa Oka's mission relies on the power of word of mouth.)
Download
(Continued from the left column)
この編曲の技法的なことについてもう少し。右の画像は4小節目からのものですが、6度インターバルの使用例を示しています。

最初の8分音符は、下からF#とD#です。(再びですが、Key of Eなので#が付きます。)これら2つの音のインターバルは6度と呼ばれます。音を下から音階に沿って数えて行くとその数字になるからです。F#, G#, A, B, C#, D#と数える時、F#を1とするとD#は6になるので、これら2音の間隔は6度だということです。

6度インターバルは、連続的に使うことの出来るインターバルの一つです。この例では隣接する3つの8分音符において用いられていますが、反復的すぎるとか人工的すぎる音にはなりません。4度、あるいは5度インターバルの場合は、連続して使うとそうなります。

3度インターバルも6度インターバルに似ていて、連続的に使えます。実の所、3度インターバルは6度インターバルの転回形なのです。Cのキーで考えてみましょう。Cの音とその上のEの音を見て、下からカウントすると、C, D, Eとなります。これが3度インターバルです。そして、そのCを1オクターブ上げて下からカウントすると、E, F, G, A, B, Cとなりますが、これは6度インターバルです。そういう訳で、6度インターバルは3度インターバルを裏返したものであると言え、その逆もまた言えるのです。

そう言えば、さっき左のコラムで見た例も3度インターバルを連続的に使用しています。上の2声が3度インターバルを保ったまま8分音符を3つ分進んで次の小節に入っているのが分かりますでしょうか?BとD#の3度インターバルで始まり、最後にEとG#になりますがこれも3度インターバルですね。

3度インターバルにオクターヴを足したものである10度インターバルも、連続使用できます。この11小節目の例が10度インターバルを使っています。最初の2音は下からB, D#ですが、これらが10度を保ちながら4ビート分進みます。(最後の2音はFナチュラルとG#で、これらは増9度インターバルでもありますが、また同時にマイナー10度インターバルでもあります。)

Read in English