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"Amadeus"

April 2009 || Score

この曲は、映画「アマデウス」(1984)を観た後に着想したのでこのタイトルが付いています。完成したら違う名前にしようかとも思ったのですが、とても魅力的な名前なのでこのままにしました。しかし、もちろんですが、私の音楽がモーツァルトのそれと比較し得るものだと言いたい訳ではありません。(「アマデウス」は、筋書きにフィクショナルな部分が多いので史実と混同しないよう注意が必要ですが、とても面白い映画です。アカデミー賞で8部門を取りました。)

この曲のユニークな所は、コード進行だけを見ると一つのキーに属している感じが殆どしないのに、それでもメロディと強く結びついているという点にあると思います。


(hear) コード進行を見ると「Cmaj7 - Bm7 - Bbmaj7 - A7sus - A7 - A7(b9)」となっていますが、これだけだとキーが何なのかよく分かりません。Cメジャーでしょうか?またはG?それともA7があるからDメジャーかも?

一方メロディは、調性がかなりはっきりしています。少なくともフレーズごとに見た場合には。1行目(Cmaj7とBm7を含む2小節)のメロディはGメジャーそのもので、構成音は、出てくる順に言うとB, G, A, D, F#。Gメジャー以外の何物でもないという感じです。そして2行目の構成音は、A, F (natural), G, E, D。一見Cメジャーと言いたくもなりますが、1行目のフレーズがGメジャーだったので、ここも、文脈に従って「G何々」という見方をしたいところです。

(Continued from the left column)
そしてGの文脈で考えると、FナチュラルがあるのでGミクソリディアンかとも思えてきます。しかしこの2つ目のフレーズはBbmaj7というコードを伴っており、このコードは当然ですがBbという音を提示しています。BbはGのキーにおけるマイナー3rdの音なので、これによりメジャー・モードであるミクソリディアンの可能性は消えます。結論から言うと、このフレーズはGドリアン・モードです。ドリアンは、ミクソリディアンの3rdを半音下げたものです。


(hear) この画像は、曲がDメジャーに転調する所からのものです。コードを見てみましょう。Dmaj7, Gmaj7, Gm6となっています。Dmaj7はもちろんI(ローマ数字)のコードで、Gmaj7はIVのコード、そしてGm6はIVマイナーのコードです。この「IVマイナー」のコードは「サブドミナント・マイナー(subdominant minor)」と呼ばれるもので、パラレル・マイナー(parallel minor)のキーから派生するものです。このGm6はDマイナーのキーから借用したものということです。

2行目のメロディを見てみましょう。連続的に完全4度(perfect 4th)の音程で上昇しています。C#から始まって、その完全4度上であるF#へと上がり、それからまた、その完全4度上であるBへと飛びます。そして1小節目終わりの細かい2音を挟んだあと、今度はEからAへ、さらにDへとまた完全4度の上昇を連続的に行います。(このように3度以上の移動をする時は、音が「リープ(leap)する」と言います。)

私にとっては、ですが、このような意図的に計算されたメロディ作成の方法というのはとても便利です。特に、感性に頼る方法においてアイデアが出尽くしてしまったような時には。


(hear) この画像は、曲中で用いた「コンティギュアス・トゥー・ファイブ(contiguous II-Vs)」の例です。コードは、Fm7からBb9へと行き「トゥー・ファイブ(II-V)」を形成します。それから、Em7-A9というもう一つのII-Vを形成します。そしてその後にも、さらに2つII-Vを作ります。これらのII-Vを見ると、そのどれもが隣のII-Vから半音しか離れていないことが分かります。例えばFm7-Bb9はEm7-A9の半音上でしかない、という風に。これにより定義されるものが「コンティギュアス(隣接)・II-V」であり、ジャズ作曲において多用される技法です。ここに挙げた例は、下降するコンティギュアス・II-Vですが、上昇形も使用されます。下降形は、サブ・ファイブ(sub-V)解決を含むため、上昇形よりも聴き馴染みのある感じがします。(Bb9は、A9のsub-Vと見なすことが出来ます。)

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